【卒業生】今では下北沢で有名ビンテージショップのオーナーに!アンダーニース代表 武市達也さん

ヴィンテージギター好きで知らない人はいないのではないかというぐらい有名なお店下北沢「アンダーニース」の代表 武市 達也(たけち たつや)さんにESP学園ギタークラフト科にはいるきっかけや、学生時代の思い出、現在のお仕事についてインタビューさせて頂きました。

【学生時代について】

——ESP学園に入学しようと思ったきっかけはなんですか?

ギターが大好きで中学時代から弾いてたんですけど、弾くだけではなくて分解したり改造したりしていました。当時は音楽雑誌などの少ない情報を元に手探りで分解したりしていましたが、失敗を繰り返して遊びながら自己責任で構造を学んでました(笑)。高校生の時に音楽雑誌でESP学園の「ギターをつくる学校」という広告見て、「そんな学校があるんだ」って知ったのが入学のきっかけです。

——学生時代、ためになった授業、印象に残っている授業はありますか?

楽器製作未経験の自分にとっては無駄な時間はなく新鮮でしたし、ネットで得られる情報があっても、実技経験あってこそ本当の意味で理解出来る事も多いので、「ゼロ」の角材状態からギターを作った経験値は、今の仕事にも直接役立ってると思います。やっぱり構造や仕組みがしっかりとわからないと修理も調整もしっかりとは出来ませんから。

——授業以外での学校生活での思い出や心に残っている事はありますか?

たまたま学校から一番近い場所での一人暮らしでしたから、授業の後は常にクラスの誰かが遊びに来てました。冬はみんなでお金を少しづつ出し合って鍋をやったり、毎日面白かったですね。あと、私が住んでたマンションには風呂があったので、一人暮らしで風呂がない友人がよく借りに来たりとか(笑)。その友人は代わりに食材を持って来てくれて、結構自炊して生活費を浮かせてましたね。

【仕事について】

——今の仕事をはじめたきっかけはなんですか?

ESP学園を卒業後に「池部楽器店」に就職しましたが、すでに関西でショップを開業していた元池部楽器の先輩から「東京店を立ち上げて欲しい」と話があり、勤続10年で池部楽器を退社。場所探しから始めて同年「Nico-Nico Guitars 東京」の店長に就任し、開店から丸7年間運営したのち自身の店を持ちたい気持ちが高まり、独立して14年目になりました。(2021年現在)

正直、どんなジャンルでも好きな事で食べていけるのはほんの一握りだと思いますが、私の場合は大手量販店で10年勤め、個人経営店でも7年店長をやらせてもらえましたし、ある程度キャリアを積んでから独立出来たのはよかったです。ちなみに父は公務員だったので、地元で公務員になるよう度々勧められていましたが、幸い好きな道で何とかなりましたから、最終的には両親も喜んでくれてました(笑)。

——仕事の魅力、やりがいはなんですか?

うちは中古、ヴィンテージ専門ですから、長年使われて傷んだ状態の楽器をきちんと直し、改造箇所や真贋をはっきりさせた上で安心して次のオーナーさんに橋渡し出来るのがショップの存在意義と同時にやりがいのひとつだと感じますし、そこがネット・オークションや個人売買との大きな違いだとも思ってます。

あと、自分の年齢になると音楽も楽器の趣味も古い方に行きがちですが、若いお客さんから薦められたものに意外とハマったり(笑)、世代がバラバラのお客さん達と一緒にライブバーで飲みながらセッションするとか、”異世代間交流”が出来るのは音楽好きの特権かもしれません。

——新型コロナウイルスの影響は受けてますか?

コロナ前は海外や日本全国から多くの方が直接来店されていました。当然、今は来店は少なくなり通販で買われる方が圧倒的に増えました。おかげ様で通販売上が好調で、数字的にはコロナの影響はほとんどないと言って良いですね。

——ギター販売のお仕事に興味がある方やクラフトマンに興味がある方に一言お願いします。

独立はサラリーマンよりもリスクはあるかもしれませんが、やっぱり好きな事を続けられるのは楽しいです。経験もなく無謀に独立を目指す事はよくないと思いますが、地道にキャリアを積めば十分可能性はあると思います。


【ギター・ショップ】アンダーニース
〒155-0031
東京都世田谷区北沢2-7-10 上原ビル2F
TEL/FAX 03-3466-2889
http://thee-underneath.com/


<編集後記>
卒業されてから30年余り、ギター業界の中でも販売に特化したお仕事を一貫されているってすごいですね。
最初に入社された楽器店から独立までの17年間で培われたご経験が現職に活かされていると感じました。
初めて武市さんとお会いしてから30年以上経ったのかと驚きましたが、娘さんが大学生だと聞いて納得です。
ご自分のお店を創られた後も常に新しい情報を取り入れ、お客様に寄り添ったお仕事をされているからこそ、
武市さんのお店にはひっきりなしに常連のお客様がいらっしゃるのだと思います。

また、前回取材させていただいたMillimeters Music.の力武さんと同様に、同窓生との繋がりも大切にされています。
ギタークラフト科で同じクラスだった友人が都内で工房を経営されていて、今でもお互い良い協力関係にあるそうです。
既にビンテージギターの業界では、武市さんのお店を知らない人はいないほどの有名店になりましたね。
これからも益々のご活躍をお祈りいたします。

お知らせ一覧へ