卒業生×講師対談 ALUMNI A TALK

本校の卒業生であり、多数のアーティストとのライブ活動や
レコーディング、テレビ出演などで活躍するShiho。
MIで得たことや現在の活動について、
ドラムコース講師GOとその軌跡を語っていただきました。

全力で音楽を楽しみ、
アーティストとして生きる。

“音楽をやりたい”という熱い気持ちが進学の原点

ShihoさんがMIを選んだ理由は?

Shihoさん
ドラムを始めたのは高校で軽音部に入ってから。プロになりたいというよりも、とにかくもっと叩きたいと思っていたら、音楽教室の先生がMIのことを教えてくれました。長野に住んでいたので、進路先を決めるために東京や大阪まで行って専門学校をいくつか見学。その中で、MIのサマーセミナーがすごく楽しかったので、進学を決めました。

GO先生は、入学当初のShihoさんにどのような印象を持ちましたか。

GO先生
彼女の今のスタイルと同じなのですが、とにかく最初から音圧がすごかった! 手打ちじゃなく、体全体で叩いている感じで。音圧って、人の感情を揺さぶるいちばんの武器。ワールドワイドで活躍できるものを最初から持っていたので、とても印象に残っています。
Shihoさん
そんなふうに見てくれていたなんて! うれしいです。
GO先生
僕はバンドマンなので、どうすれば聞いている人に刺さるかを常に考え、フロアから見たバンド像を意識しています。だから、Shihoにもこの曲はこうすると相手に響くよ、という話をよくしていました。バンドでのドラマーの役割は、ほかのメンバーの背中を押すこと。後ろにかっこいいドラマーがいれば、バンド全体がパワーアップするーそんなことを教えていました。

音楽仲間とのかけがいのない出会い

MIで得られたことは?

Shihoさん
驚くほどドラムの基礎を知らずに入学したのでテクニックについてはもちろん、全コース生が一緒に受ける音楽理論や聴音といった授業も学びが多く、毎日が楽しかったです。なかでも、仲間と一緒にライブ形式で演奏して、先生からアドバイスをもらうLPWは印象深いです。仲間と合わせることで、一人での練習が実になっていったように感じます。
GO先生
ShihoはLPWで自信のある好きな曲を演奏するとき、特に音圧がドンと上がっていたよね。
Shihoさん
そうでしたか?! それから、MIで得られたいちばん大きなものは音楽仲間との出会いです。それまで出会ったことがないようなカッコいい人たち、豊富な知識の同級生がたくさんいていろいろと教えてもらいました。先生もプロとして現役で活躍している方が多く、音楽業界の様子をリアルタイムで聞けたのは貴重でしたね。学校から先生のライブを見に行く機会も結構あり、GOさんのライブにはすごく刺激を受けました。GOさんのドラムは、姿を見なくても音でわかるんです。そのシグネチャのすごさ、GOさんだけのプレイスタイルを築き上げているからこそバンドを支えられるところに憧れていました。
GO先生
僕は、一緒に演奏する人にあふれんばかりの楽しさや刺激をプレゼントできるミュージシャンでいたいと常々思っています。そうすることで、一緒にやりたいと思ってもらえる存在になれるからね。

自分のシグネチャを確立したい

卒業後のShihoさんの活動について教えてください。

Shihoさん
MI卒業後、武者修行のようにバンドやサポートであちこちのライブに出ていました。その後、自分のバンド活動が徐々に増え、コロナ前はライブが本当に多かったです。活動のメインはアーティストDURANのプロジェクトメンバーとしてのライブツアーで、その合間に仕事のライブがあり、リハーサルとライブの日々。DURANのツアーは半年で40本くらいあり、フィリピン、香港など海外でもライブをしていました。
GO先生
Shihoの音は海外でも受けるよね。MIでは、楽器スキルのほか、プロとしてステージに立ったときにどんな振る舞いをすると良いかやその理由を自分のミュージシャン経験から伝えています。スキルもだけど、カッコよさもとても大切だから。オーディションを受ける人には、その内容や審査員によって対応が変わるので個々にサポートしています。

プロとして活躍するShihoさん、GO先生から同じ業界を目指す方へメッセージをお願いします。

Shihoさん
実は私、すごくネガティブなんです。卒業してから何度も音楽をやめようと思ったことがあります。でも、MIにいたときにGOさんがよく言っていた「やめるのはいつでもできる。後悔しないよう、何度も自問自答しろ」という言葉が支えになりました。周りに支えられ、今につながっています。そして、全力で楽しむことが大切。私は本能のままドラムを叩いています。
GO先生
Shihoからそういう言葉を聞けるとやっぱりうれしいね。僕は、少しでも生徒の喜びにつながれば、という思いで自分の経験を伝えるようにしているから。音楽をやっていると、売れるときは誰だって売れるし、ダメになることもある。自分と教え子たちって、差があるようで実は全然なくて、運やタイミングでいくらでも逆転できる世界です。だから、みんなには自分が選んだ道を誇りに思ってほしいです。
Shihoさん
MIやGOさんから教えてもらったことをベースにこれからの私が目指すのは、DURANプロジェクトのカッコいいドラマーになること。音楽へのアプローチの仕方や仕事の受け方など、自分が考えるアーティストとしての生き方を貫き、Shihoというシグネチャをつくっていきたいです。

PROFILE

Shiho

高校の軽音部に入ったことをきっかけにドラムをスタート。2010年、MI東京卒業後、数々のバンドやサポートを経て、2014年DURAN、MaryneとMade in Asiaを結成。INABA/SALAS、MIYAVIといったアーティストと共演。INABA/SALASのMVにも参加。バンド解散後もDURANプロジェクトにメンバーとして参加するほか、渋谷すばる、Ryuichi Kawamura、スガシカオなど多数のアーティストとのライブ活動、レコーディングやテレビ出演を行っている。海外でも精力的に活動中。

GO [ドラムコース講師]

sads、地獄カルテット、SUNS OWLのドラマー。黒夢、Bʼzなどのサポートも務める。著書にドラム教則本「地獄のメカニカルトレーニングフレーズ」等。1994年、自身のバンド『SUNS OWL』を結成。世界中の多くのメタルファンより支持を受けPANTERAやSLAYER等とも共演。K-1選手の魔裟斗、プロレスリングNOAHの小橋健太の入場テーマソングの制作、高崎晃(LOUDNESS)、LOUDNESS、より子、OLIVIA、栄喜(ex.SHAM SHADE)、上杉昇(ex.WANDS)、清春などのドラマーとして数々の現場でプレイ。