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このコーナーでは、バンドのアンサンブルをはじめ、ボーカルやギター、ベース、ドラムなど、デジレコ・バンド・クリニックの講義の中で高校生の軽音楽部員から質問されることが多い「疑問」を取り上げ、解説していきます。ぜひ参考にして、これからの練習に役立ててください。

メンテナンス / 高校1年 女子NEW

オクターブ・チューニングは何のためにするのでしょうか

ミュージシャン科講師

長谷川 英律先生

良い質問ですね!ズバリ答えを先に挙げるとすればフレット付きのギターやベースを『楽器』にするための調整です。

【説明】

ギターやベースのようなフレットが付いた弦楽器は、調整をしないと音程が合わない楽器なのです。?と思われる読者もたくさんいらっしゃることでしょう。『各弦をチューニングしてフレットを押さえればきちんとした音程が出るんでしょ?』という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。それは違います。

フレットの取り付け位置は平面上の計算で割り出されていますが、現実には弦高というフレットとの隙間がナットからブリッジにかけて少しずつ広がる隙間が存在するためフレットを押さえたときの弦の引っ張りにより音程のズレが出てきます。また、そこに張られる弦の太さも弦を押さえる力も演奏者によってマチマチ、そうなると解放弦のチューニングだけでは各フレットのポジションの音程を合わせることはできないのです。

ギターと同じような弦楽器のヴァイオリンなどではフレットを持たないために正確な音程を出すために練習が必要ですが、押さえる場所の微調整ができるので正確な音程で音楽を演奏することができます。ギターやベースはフレットがあることで誰でも簡単に音程を取ることができ、誰でも少しの練習で音楽の演奏を楽しむことができる反面、正確な音程を出すことができない楽器になっているのです。

バンドで演奏する時にギター、ベース共に解放弦をチューニングしているので、いざ演奏すると音程がズレている。そんな経験はありませんか。これは正確な音程を出せる鍵盤楽器(キーボード)が入るとより顕著になります。

【調整方法】

オクターブ調整は解放音とフレットを押さえたときの音程の差を、ブリッジサドルを前後に動かすことによって調整します。
※ブリッジサドルはブリッジを構成するパーツの1つで、弦が触れている部分のことを指します。

  1. 具体的な方法は12Fのハーモニクスで解放音をチューニング。
  2. 12フレットを押さえて出した音(12Fの実音)が同じ音程との差を確認。
  3. 実音が高い場合はブリッジサドルをボディエンド側へ、低い場合はネック側へ動かす。
    このブリッジでは写真1のネジを回して調整します(写真1)。
  4. 1~3 を繰り返しズレをなくす(写真2・3)。
  5. 調整が終わったギターのサドル配置はこのようになります(写真4)。

ブリッジサドルの動かし方はブリッジの種類によりますが、弦が触れている部分を動かすためのネジがあるので探してみてください。また、サドルを動かす際は弦の張力によって動きが固い場合があるのでスムーズに動かない場合は少し弦を緩めてからサドルを動かしてください。チューナーだけに頼ると実際の音がズレている場合があるのでアンプからも音を出しながら調整すると精度が上がります。

【まとめ】

この調整を行う頻度はそれほど多くはありません。弦のゲージ(太さ)や同じゲージでもメーカーを変えた時や、ネックの反り調整、弦高調整を行った時には必要になります。弦を押さえる強さが人それぞれ違うので、できればプレイヤーが行った方が良い調整なので、ぜひトライしてみてください。

作曲編 / 高校2年 女子NEW

編曲ってどういうことを意味するのですか

ミュージシャン科講師

野戸 久嗣先生

編曲とは英語でアレンジともいわれています。この言葉は聞いたことがあるかもしれませんね。ある曲を聴かせるのに、どんな楽器・音色を使うか、どんな風に弾くかを決めることを編曲(アレンジ)といい、それを職業としているミュージシャンを編曲家(アレンジャー)といいます。楽器の音がたくさん入る場合、うまく整理をして、よりよく聴かせることで曲の良さもアップします。楽器が少ない場合(例えば、ピアノだけで演奏する時の弾き方を考えることを、ピアノアレンジといいます)でも、大編成のバンドでも、曲をどう聴かせるかはとても大切なことです。

曲が進行していく流れの組み立てを曲構成といいます。これも編曲家(アレンジャー)が受け持つことがあります。印象的な音色を聴かせるイントロがあって、AメロBメロと続きサビが来て1番(1コーラス)が終わる。2番に入る前にちょっと聴く人に一息つかせるように短い間奏を入れようか、それとも間髪入れずに2番に進んでいくスピード感を優先させようか、そんなことを1曲を通して全体を見ながら考えていきます。ここはメロディーを作る作曲者との打ち合わせも必要です。たくさんの楽器が弾くメロディー、オーケストラの演奏をまるまる1曲考えることを作曲という時代がありましたが、現在ではメロディー、もしくはそれに付け加えて伴奏のコード(和音)を考えることを作曲ということが多いです。そこから先が編曲の範囲といえます。基本的なコード進行をより魅力的にするためのコードアレンジ、メロディーを生かすためのリズムアレンジ、ハモりを考えるコーラスアレンジ、使う楽器やそのフレーズを考えるパートアレンジ…など。裸のメロディーにどんな洋服を着せて着飾るか、それが編曲といえます。

音を編むと書いて編曲。まさしくメロディーを聴かせるために工夫をこらしながら、いろいろな音を編み込んでいって、1曲を豊かにするという作業です。どんな編曲(アレンジ)になっているかを意識しながら、音楽を聴いてみるのも楽しいですね。

メンテナンス / 高校1年 女子NEW

弦の交換時期ってどうやって知るんですか

ミュージシャン科講師

長谷川 英律先生

よい質問ですね!エレキギター/ベースの弦はほとんど鉄でできているので時間が経つと酸化してしまいます。交換時期は1日の演奏時間や手汗の量などの体質にもよるので一概に「何日です!」とは言い切れません。

見た目からの判断では、パッケージから出したばかりの新品の弦は恐らく銀色に輝いていますが、しばらく経つと白っぽく曇ってきて最終的には黒い錆が目立つようになります。手触りでは新品時はツルツルだったものが、表面が荒れるにしたがってザラザラとした感触に、そして音質的にはきらびやかな音だったものが、高音成分が減ってモコモコとした音質に変化します。

以上の『見た目』『手触り(演奏性)』『音質』を判断基準として演奏していて『気持ちが悪くなったら』交換時期だと言えます。ただ、楽器を始めて間もない頃はどれも分かりにくいですよね。けれどもギター/ベースはれっきとした『弦楽器』です。音の発生源である弦を粗末に扱うと、音程不安定になり、演奏性も悪くなり、指も痛くなるので上達を阻害しかねません。

楽器屋さんや周囲の上級者、お財布と相談して出来るだけ楽器の弦にも少し気を使いましょう。弦は音の発生源です。

作曲編 / 高校2年 女子NEW

オリジナル曲でコード進行まではできるのですが、メロディーが思いつきません

ミュージシャン科講師

野戸 久嗣先生

メロディーは、コードの中でそれにあった音を選んで作らなければいけないと思うと、なかなか大変な気がしますよね。コード進行までできているのなら、それを演奏しながら口ずさんでいきましょう。「フンフンフーン」とか「シャラララ?」と気分良く自然に歌えれば、まずはそれなりに形になっていきますが、なかなかそう上手くは思いつかないこともあります。

歌詞は先に書いてあるのでしょうか。仮の歌詞でも良いので、言葉が先にあるとメロディーは浮かびやすいですよ。難しく思わないことが大切です。ワン、ツー、スリー、フォーと足でテンポを取りながらコード進行を弾いていきます。そうしながら歌詞を読んでいきます。ラップのような感じでOKです。何度も繰り返していくと何となく音程がついていくはずです。これがメロディーの元になります。

コード進行の次の展開が決まってくれば、次のブロック用の歌詞を読んでいきます。盛り上がるサビのコード進行なら音程も自然に高くなるように気持も盛り上げていきましょう。音の選び方ですが、コードで鳴らしている音(構成音)ならば間違いはないので、まずは難しい音を使わずに、メロディーのリズムの部分を工夫するつもりで、自分で作ったコード進行に気持ちよく言葉を乗っけていきましょう。仮の歌詞だとしても作詞のトレーニングにもなりますね。ぜひ試してください。

作曲編 / 高校2年 男子NEW

耳コピのやり方がわかりません

ミュージシャン科講師

山本英美先生

「この曲を耳コピしたい!」と思ってもバンドスコアがない、インターネットで検索しても出てこない…では、コピーする(音を探す)のは大変です。最近はコードを探り当てるアプリケーションもあるようですが、耳コピは自分の音楽知識や技術を深めるために役立つトレーニングです。目的別に解説しますので、ぜひトライしてみてください。

メロディー(単音)を耳コピしたい場合

単音の場合は鼻歌で音を取って、それをピアノなどの鍵盤楽器に置き換えてみる、というのが良いかもしれません。何度も繰り返し聴いて音をたどっていくと、「これっ!」という音が必ず見つかるはずです。1つ目の音が見つかったら、次の音はそれよりも高いのか低いのか、どれくらい音の幅 があるのか、どれくらいの音の長さなのかを目で見ながら、リズムを刻みながら1つずつ探していきます。いくつか探り当てられれば、次の音が徐々に見つけやすくなると思います。そして、重要なポイントとしては、楽曲には必ず「Key=調」があるということです。基本的に音楽は12音のどれかの音をルートとしたメジャースケールかマイナースケールでできている、ということです。途中で転調(Keyが変わること)していたり、スケール以外の音を使っている場合もありますが、その曲のメロディーやフレーズを探す土台になるので、まずは曲のKeyを見極めることからやってみましょう。最初は難しいかもしれませんが、あまりテンポの速くない、音数も多くない曲から始めてみることをオススメします。

コード(和音)を耳コピしたい場合

コードの場合はメジャー(明るい)やマイナー(暗い)などがあるので、まずはベース音(ルート音)を探さなくてはいけません。この場合に使う楽器はギターでもピアノでも構わないと思います。まずベース音がわかったら、音の高さを考えながら知っているコードを弾いて、当てはめてみてください。「コードがあまりよくわからない…」という場合は、まずは「ダイアトニック・コード」というのを調べて、勉強してみるところから始めるのも良いでしょう。最初のコードが探せたら、「ダイアトニック・コード」の進行に基づいて次のコードを探してみると案外、見つけやすいかもしれません。それでも「何かが違う」という場合は装飾音が入ってる場合があるので、コードブックなどで調べて当てはめてみましょう。

最初はなかなか思うようにいかなくてイライラしたりもしますが、わかってくると段々早く取れるようになり、相対音感、そして、リズム感が鍛えられると思います。補足になりますが、耳コピしたい音(音楽)がスピーカーから出てくるものでは、よく聴き取れない…という場合もヘッドホンで聴いてみたら、ちゃんと聴こえた!というケースがあるので、音を聴く環境もいろいろと試してみましょう。

メンテナンス編 / 高校1年 女子NEW

弦高が高いと弾きにくいと言われたのですが、どうすれば良いですか

ミュージシャン科講師

山本英美先生

良い質問ですね。そもそも「弦高(げんこう)」という言葉が初耳の人もいると思うので、まずは基本から簡単に説明しましょう。

「弦高」とは?

弦高とは通常、弦とフレットの隙間のことを指します(例外的にボディーとの距離を指す場合もあります)。弦とネックは常に平行ではなく、0Fからブリッジにかけて少しずつ隙間が広くなるため、メンテナンスの紹介のされ方によっては計測位置が異なることがありますが、今回は12Fの位置で弦の下からフレットの頂点までの数値を元に紹介します。

弦高が低いと弾きやすい!?

弦高が下がることで押さえる時のタッチが軽くなり、素早く押さえることができ、確かに弾きやすく感じる人は多いことでしょう。しかし、楽器全体のコンディションに狂いがあると、演奏時に揺れた弦がフレットに当たって「ビビり」が生じることがあります。

理想の弦高は?

ベストな数値はありません。なぜなら演奏者によって好みが違うからです。まずは基準となる目安を知った上で、自分に合ったセッティングを探してみましょう。エレキ・ギターの1弦で1~1.5ミリ、6弦で1.5~2ミリ、ベースの1弦で1~2ミリ、4弦で1.5~2.5ミリくらい、この間の弦は少しずつ変化させて弦飛びした際に引っかかりがないようにします。先端から目盛がついているスケールがあると重宝しますが、持っていない人のために身の回りの物で同じ厚みの例を挙げると1mmではピック、1.5mmは1円玉などがあります。これらを単体や組み合わせて12フレットと弦の隙間に入れると簡易的ではありますが、計測することができます。

調整する際は?

何事も順番が大切です。基本はチューニング→ ネックの反り調整→ 弦高調整→(P.U.高調整)→ オクターブ調整となります。いつも使うチューニングに合わせ、ネックに適切な負荷を与えた状態でネックの反りを調整します。反り調整の方法について、細かくは…またの説明とします。ネックの反りが変わることで弦との距離が変化する(順反りの時は隙間が広く、逆反りの時は狭くなる)ため、このタイミングで行わないと、この後に行う作業の意味がありません(写真1/少し順反り・写真2/順反り)。ネックの状態が適切になってからブリッジで弦高を調整します。どこかできちんとメンテナンスされていれば、ネックの反りを直すことで適正値に戻ります。

写真1 少し順反り

写真2 順反り

ブリッジでの調整は?

多種多様のブリッジがありますが、大まかに分けると全体を2点で支え、ブリッジを上下させることで調整するタイプとブリッジ自体は固定されていて、各弦で独立して調整できるタイプに分かれます。前者の弦高調整は比較的楽に行えますが、細かな各弦の調整はできません(写真3)。一方、後者は調整に手間はかかりますが、指板の丸みに合わせた調整を行うことができます(写真4)。弦の乗るサドル1つに対してに2つのイモネジがあるので高さを合わせましょう(写真5)。

写真3

写真4

写真5

弦高調整をしたら…

必ずオクターブ調整をしましょう。ネックの反り具合や弦高を変えると、必ずオクターブ・チューニングがズレて、楽器として音程が合わないという致命傷を負うことになります。細かな調整方法は、またいつかお話しましょう。

作詞作曲 / 高校2年 男子

作詞作曲をしたいのですが、どうすればできますか

ミュージシャン科講師

野戸久嗣先生

「オリジナル曲を作ることは難しい」と思わないことが大切です。歌詞はとにかく思い付いた言葉を、メロディーは鼻歌を、携帯のメモにでも書き留めておくことが役立ちます。習慣付けておくと、いざという時に発想しやすくなりますよ。

楽器を弾ければ音を出してメロディーを考えやすいので、ギターや鍵盤ができるようになれば便利です。少しずつ覚えていってください。C・F・GやD・G・Aというコード(和音)を押さえられると、簡単な伴奏ができます。歌詞にメロディーをつける時などは、ここから始まります。楽器が弾けなくても、言葉をメロディーに乗せるつもりで口ずさんでみてください。いつもうまくいくとは限りませんが、実際に声に出すことが肝心です。自分の曲なので、はじめは間違っているかどうか気にしないで、わがままに自由な気持ちで作れば良いと思います。

サビの部分だけでも、また、1番だけでもできれば、先に進んでいけます。作詞作曲…まずは好きな絵を描くような気分で楽しんでチャレンジしましょう!

作詞
  • ◎テーマ・内容を決めよう。(クリスマス~夏祭り ~片思い~想い出…)
  • ◎連想する言葉を出してストーリーを作っていこう。(クリスマス、初雪、夜空、白い息、二人きり …)
  • ◎好きな曲などを参考にブロックに分けてみよう。(1番Aメロ・Bメロ・サビ~2番…)
作曲
  • ◎歌詞を声に出して読んでみよう。(膝を叩いたりして、テンポを出してみて)
  • ◎何度も繰り返しながら、だんだん音程をつけていこう。(言葉の切れ目や発音が違和感なく聴こえるように)
  • ◎メロディーらしくまとまってきたら、レコーダーに録音したり、覚えたりしながら1曲にしていく。
    (1番まで作れればできたも同然。2番も作ってみよう!)

メンテナンス / 高校1年 女子

ピックアップって何ですか

ミュージシャン科講師

長谷川英律先生

ピックアップ(以下P.U.)とは「弦の振動を電気信号に変えるパーツ」です。いわば小さな発電機ですね。エレキ・ギターの音色を左右する重要なパーツのため、交換することで手っ取り早く楽器の音をカスタマイズすることができます。

P.U.にはいくつかの種類があり、一般的なエレキ・ギターに搭載されている「マグネティックP.U.」やアコースティック・ギターに使われる「ピエゾ P.U.」などがあります。今回の質問は、恐らくエレキ・ギターに関してだと思うので、ピエゾについての細かな説明はまたの機会にしましょう。

写真1

写真2

写真3

マグネティックP.U.は磁石とコイルの位置関係で発電する「電磁誘導」という作用が利用されています(写真1)

友達のギターを見渡すと、スリムなP.U.と少し大きいP.U.があることに気づくと思います。スリムなものは「シングルコイルP.U.」というコイルが1つで成り立っているタイプで、少し大きいものは「ハムバッキングP.U.」というコイルを2つ使って、ノイズを減らしてパワーを増しているタイプです。「シングルコイルP.U.」はきらびやかで歯切れの良いトーンが特徴で、「ハムバッキングP.U.」 はパワーのある中低音とローノイズが特徴です(写真2、3)。

取り付けの高さによってアンプから出てくる音量が大きく変わるので、適切な距離に調整する必要があります。高過ぎる(弦に近い)と音が割れてクリアな音が出ません。反対に低過ぎるとピッキングのニュアンスが拾えなくなり、レンジの狭い音になります。調整をすることでP.U.の性能を発揮することができるので、もし音が気に入らなくて、P.U.を交換しようと考えている読者がいるのであれば、まずは高さを調整してみましょう。

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(2018年4月専門学校ESPミュージカルアカデミーより校名変更予定)

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