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このコーナーでは、バンドのアンサンブルをはじめ、ボーカルやギター、ベース、ドラムなど、デジレコ・バンド・クリニックの講義の中で高校生の軽音楽部員から質問されることが多い「疑問」を取り上げ、解説していきます。ぜひ参考にして、これからの練習に役立ててください。

ギター編 / 高校1年 男子NEW

エレキギターにはピックアップがいくつか付いていますが、どれを使うのがよいのでしょうか

ミュージシャン科講師

岩尾 徹先生

音作りの第一歩として、エフェクターなどより先にピックアップのセレクトがあります。音の違いを専門的に掘り下げると長くなってしまうので、今回は演奏上、聴感上での違いをメインに、代表的な例としてレスポールとストラトキャスターで大まかなサウンドキャラクターを説明していきます。これが正解という使い方は存在しないので、あとはそれぞれプレイヤーのセンスということになりますが、その中でもある程度の法則があるので参考にしてみてください。

レスポールの場合

リア、フロントの2つのポジションとそれらのミックスのセンターという3つのポジションがあります。

◎リア
ブリッジに近いのでブライトなサウンドが特徴で、歪ませた時のエッジの効いたサウンドが得意。ピッキングハーモニクスも出しやすい。

◎フロント
リアに比べ甘い丸みのあるサウンドが特徴。リアよりも歪ませてコードを弾いた時、コード感がよりわかりやすい。

◎センター
リアよりもブライトでなく、フロントほど甘くないサウンド。コロコロっとしたキャラクターの音とでも言いましょうか。

ストラトキャスターの場合

3つのシングルコイルピックアップがついています。ポジションはリア、センター、フロント、あとそれぞれの(リア+センター、センター+フロント)ハーフトーンという5ポジションがあります。フロント、リアには、シングルかハムバッキングかの違いがありますが、上記のレスポール編とニュアンスは同じだと思ってください。それ以外のポジションは…

◎ハーフトーン
コロコロっとしたキャラクターの音

◎センター
シングルでウォームなサウンドを出したい時(レスポールっぽい)に使用したりします。

ソロを弾く場合

ピックアップのセレクトはフレーズに表情をつけるためにします。ピッキングハーモニクスを効かせてロックっぽく弾くにはリアが、ジャジーなフレーズはフロントがベストでしょう。また、テクニカルなフレーズでは奏法に違いがあります。速弾き、スィープはフロントピックアップの方がフレーズがまとまります。リアはフロントより弾きづらいですが、ドライブ感は出ます。タッピングはリアの方がサウンド的に良いでしょう。

バッキング時の使い分けとしては、まず歪み系の場合、ハードドライブなパワーコードでのミュートバッキングなどは、リアピックアップを使用した方がエッジ感が出ます。16feelのコードワークをしたい場合なら、フロントもしくはセンターで、ストラトならハーフトーンという選択もあります。ニュアンスはそれぞれ違いがありますが、共通点はコード感がリアより出やすいというところです。次にクリーントーン系では、クールな16feelなコードワークの場合、レスポールはセンター、よりジャジーにいきたいならフロント。ストラト系はセンター、フロント、ハーフトーンでしょうか。時代によってピックアップのチョイスに変化があるので、いろいろ聴いてみると良いと思います。

このように絶対コレ!っていうものは存在しないのがギターの音作り。もっといえば音楽の楽しさなんですよね。でも、もう少しお手本がほしいのならば、あなたが大好きなギタリストをコピーするときにフレーズだけでなく音色も研究してみるといいと思いますので、ぜひトライしてください。

ギター編 / 高校2年 女子NEW

ミュートが難しいのですが、どうすればうまくできますか

ミュージシャン科講師

阿部 雄太郎先生

ミュートって、地味なテクニックで見落とされがちですが、実は絶対に習得しなければならないテクニックの1つです。ミュートの大切さ、必要性に関して話をしつつ、実際にやり方を説明していきましょう。

ミュートをするとピッキングがしづらくなったり、押さえづらくなったり…。わざわざミュートするの面倒だな? とか、右手でピッキングしなければミュートしなくても良いでしょ?と思う人もいると思いますが、ギターは弦を弾くとその振動がボディーやネックなどに伝わって、いろんな所が振動します。そのせいで、ピックで弾いていない弦も鳴ってしまっているものなんです。コードストローク、カッティングの時は勿論ですが、単音弾きの時も確実にミュートしなければなりません。まずは、ミュートで使う手の部分を把握しましょう。ミュートで使うところに赤丸を付けました(写真1)。

写真1

基本的に単音弾きの時、5、6弦のミュートは右手の平の側面(Aの部分)で、1、2、3、4弦のミュートは、各指の付け根(Bの部分)でします。コードストロークやカッティングの場合、5弦ルートのコードを弾く場合は6弦のミュートを左手の指の先端(Cの部分)でします。場合によっては、6弦のミュートを左手の親指(Dの部分)でミュートすることもあります。まずは、意識です。ミュートを意識して、普段弾いている曲を1曲通して常にミュートをするくらいの気持ちで取り組んでみましょう。

今回、紹介したミュートのやり方は、基礎的な形のほんの一例です。実際、プロギタリストは1つの音を弾くときに、何通りものミュートを駆使して、鳴らしたい弦以外の音を確実に出ないようにしています。地味な上に細かい技術ですが、ミュートをマスターしてワンランク上のギタリストを目指してください。

ギター編 / 高校2年 女子NEW

速弾きをしたいのですが、どういう練習をすればよいですか。
どんなギタリストの演奏を聴けば良いですか

ミュージシャン科講師

阿部 雄太郎先生

速弾きにも「スウィープピッキング」や「エコノミーピッキング」、ほとんど右手を使わずに左手の指だけで速弾きする(音を奏でる)「レガート」など、いろいろなテクニックがあります。これらはコードやスケールにそった左手の存在が必要不可欠です。ギターという楽器は左手で押さえてから右手でピッキングしますので、まずは左手できちんとフレットを押さえることを意識しましょう。フレットを強く押さえてピッキングし、徐々に左指の力を弱めていく、といった左指の力加減を練習することが近道です。音がかすんで鳴らなくなる寸前のキチンと発音している辺りが、速弾きの力加減の目安になります。右手は左手に追従する形でピッキングしていくのが理想です。右手のピックの振り幅はなるべく小さく均一にし、力まず自然なピッキングをすることを心がけましょう。

どの速弾きギタリストにもお決まりのパターンが存在するので、自分の好きな音楽やギタリストが、どのようなスケールで速弾きしているのかをキチンと押さえておきましょう。ただ、頭で覚えておくだけではなく、速弾きは鍛錬が必要となりますので(笑)、自然に弾けるようになるまで、がんばって練習しましょう。速弾き入門者は、最初はスケールの上り下りだけでもOK。自分の好きなメロディーやフレーズがあるのであれば、それも練習材料になりますので、遅いテンポから徐々に速いテンポでフレーズを繰り返し練習しましょう。

現代にもたくさんの速弾きギタリストがいますが、元をたどって行くと必ずと言って良いほど80年代のギタリストの影響が見え隠れします。イングヴェイ・マルムスティーン、アルディ・メオラ、ヴァン・ヘイレン、ポール・ギルバート、クリス・インペリテリ、スティーブ・ヴァイ、アンディー・ティモンズ、マイケル・ロメオ、マーティー・フリードマン、ジョー・サトリアーニ…など、言い出したらキリがありません。それぞれ、オリジナリティー溢れるフレーズやスケールの響きではありますが、速弾きの基礎は変わりません。現在でも使われているフレーズが山ほどあるので、一度聴いてみることをお勧めします。

ギター編 / 高校2年 女子NEW

アンプやエフェクターでの音作りはどうすれば良いのですか

ミュージシャン科講師

岩尾 徹先生

アンプ編

アンプには大きく分けて、チューブ・アンプ(マーシャルなど)とトランジスタ・アンプ(ローランドのJC-120=ジャズコーラスなど)の2種類があります。特徴をざっくりと言うと、チューブは温かく、歪み系に合う、トランジスタは素直または冷たく、思いっきりエフェクティブなサウンドに合う、というところでしょうか。両者ともに音作りのポイントは「トーン・コントロールをいかにうまく使うか?」です(ここで言うトーン・コントロールとはトレブル、ミドル、バスです。プレゼンス、レゾナンスなどは含まれないので注意してください)。トーンが「0」ではボリュームが上がらないので、最初はすべてのトーンを12時方向(真ん中)にしてから音作りを始めると良いでしょう。ここで気を付けて欲しいのが、ミッド・コントロールの使い方です。チューブ・アンプは基本的にミッドは出ているのですが、トランジスタ・アンプは割とフラットな音色なので、あまり極端にミッドを削ると音の抜けが悪くなったり、音の線が細くなってしまいます。

エフェクター編

エフェクターでの音作りのポイントは、エフェクターの「ノリ」をいかに良くするかにかかっています。まずはエフェクターをOFFの状態で、しっかりとアンプのセッティングをすることが大切です。歪み系エフェクターは音量レベルをON/OFFして調整してください。基本的には歪ませると音の抜けが悪くなるので、若干大きめのレベル・セッティングがオススメです。エフェクターのトーン・コントロールはON時のトーン補正と考えた方が良いでしょう。OFFの時にしっかりとアンプをセッティングして、ONにした時に足りない部分を足すようなイメージです。

空間系エフェクターはONにすると気持ちが良いので、ついついエフェクト量を多めにしてしまいがちですが、かけ過ぎると音が細くなったり、ピッチが悪くなったり、抜けが悪くなったりと、あまり良いことがありません。例えば、バンドで演奏している際に、意図的でない限りディレイ音やリバーブ感がはっきりと聴こえるようでは、恐らくそれはかけ過ぎです。

コンパクト・エフェクターはつなぎ方で効果が変わります。基本的なつなぎ順はありますが、絶対にそうでなければダメということはありません。つなぎ順で効果が変わる例としては、バッキングとソロで音を使い分けたい場合、歪み系エフェクターを2台つなぎます。それぞれ「メインの歪み」「ソロ時のブースター」という位置付けで考えます。ブースターとして使用する歪み系はオーバードライブ系が良いでしょう。メインの歪みの前にブースターをつなぐと、メインの歪みのキャラクターのまま歪みの量が増えますが、レベルはあまり上がりません。反対に、メインの後ではレベルは十分にジャンプアップしますが、ブースターのキャラクターが強くなり、音色が変わってしまいます。このように、後につなげたエフェクターのキャラクター(効果)がより出る、ということを理解しておきましょう。

以上のことに注意しながら、エフェクトのセッティングをいろいろと試してみてください。最後に、音作りはイメージが大切です。アンプ、エフェクターのつまみ位置を覚えるのではなく、その都度、聴感で確かめてください。そのためには、たくさん良い音のギター・サウンドを生で聴いて、自分のサウンド・イメージを創ってください。目指すアーティストなどのライブに行くのが手っ取り早い方法かもしれません。

ギター編 / 高校2年 男子NEW

オリジナル曲でのギター・ソロの作り方を教えてください

ミュージシャン科講師

岩尾 徹先生

ギター・ソロはギタリストがヒーローになれる時!と言えます。しかし、オリジナル曲だと、どうしたら良いのか悩むところ…。ここでは、とっかかりとしての作戦をケースごとに分けて説明します

ギター・ソロのコード進行がAメロやサビといった歌の部分と同じ場合、楽曲のKey(使用しているスケール)がわかればより良いのですが、わからない場合は…

1. まずはギターで歌のメロディーをなぞってみる (例1)
2. オクターブ奏法で弾いてみる
3. 1音、半音進行の部分をチョーキングやスライドなど、ギターのテクニックに置き換えてみる (例2)

など、少しメロディーにギター的な味付けをするだけで、抑揚のあるソロになります。もし使用しているスケールがわかるのであれば、メロディーに対していろいろな表情をつけてみましょう。

1. メロディーに隣接音、または装飾音を加える (例3)
2. リズムを変化させる(例4)

これに対して、ソロ・パートのコード進行が別で存在する場合は、基本的にそのコード進行に対してのスケールがわかることが前提となります(もちろん音感のみで弾いてしまうギタリストも世の中にはいますが…)が、わからなければ使っても良い音とダメな音を耳で探してみたり、口で歌ってみたりしてフレーズを作りましょう。ある程度できたら、次のことに気をつけて完成させます。

  1. ソロの流れの中に起承転結をつけるすべて同じスピード(タイム感)、同じ長さの音符のフレーズで埋めてしまうと、せっかくのかっこいいフレーズの印象が薄くなります。例えば、野球のピッチャーがストレートの球速を速く見せるために、その前に緩い変化球を投げる…といった緩急をフレーズにつけると、印象深いソロになります。
  2. 歌の終わりからソロへの導入の流れを考える例えば、歌がロングトーンで伸ばしていて、それにかぶさってソロを弾き始める場合、あえて同じ音からソロを弾き始めるなど、流れを壊さないようにする。弾き始めのフレーズはとても大事であると言えます。
  3. ソロ終わりから歌への引き継ぎ方を考える「ギター・ソロは歌の前に終わっていた方が良いの?」「クロスした方が良いの?」ということを考えましょう。クロスする場合、メロディーの邪魔にならないように注意する(半音でぶつかったりすると、音が濁ります)、歌い出しのコードに注意する(ギターの伸ばしている音でコード感が変わってしまう場合があります)といったことが大切です。

音づかいに関してはギターならではのフレーズ の作り方というものがあるので、まずはそれをマスターしましょう。そのためには、とにかく好きなギタリストのソロをコピーするに限ります。そのコピーした様々なフレーズの組み合わせ方が皆さんの個性となって現れるのです。

以上のことを踏まえて、楽曲の雰囲気を崩さず、なおかつ印象深いソロを作ってみてください。

ギター練習 / 高校1年 男子

ビブラートをかけるのが難しいのですが、どうすればうまくできますか

ミュージシャン科講師

岩尾 徹先生

エレキ・ギターで使用する一般的なビブラートは、基本的にチョーキングの延長線上にあります。端的に言うと、細かいチョーキングの繰り返しがビブラートということです。そのことを踏まえて、ビブラートをうまくかけるポイントを挙げるとするならば、

1.チョーキングをいかにスムーズに繰り返すことができるか
2.どのようにしてピッチ感を保つか
3.どのようなタイム感で揺らすか
という3点が重要になります。

まず、チョーキングをスムーズにかけるためには、なるべく力に頼らずに弦を上下させなければなりません。そのためには、いわゆる「テコの原理」を応用します。左手のどこかに支点を置くということです(写真1-1、写真1-2)。

写真1-1

写真1-2

写真2

人によって解釈に違いはありますが、おおまかな感覚としては、ドアのノブを回すように手首をつかって行うということです。また、チョーキングをする際の注意点としては(写真2)、押さえる指はなるべく2本以上で、指と指をしっかりとくっつける(人差し指は例外です)。押さえている指は固定したまま手首を動かす(弦を指でこじ上げない)。親指は弦を上げると同時にネックを少し握るようなフィーリングでネックの上部に出しておく、ということです。

西洋人のように極端に手が大きい、握力があるという人は腕力でいけてしまうかもしれませんが、特に女の子は、ぜひこのあたりを注意して練習すると、スムーズに弦を上下に揺らすことができると思います。

ビブラートのピッチ感に関しては、チョーキングビブラートと、そうでないビブラートで考え方が若干違います。いわゆるビブラートは弦を押さえて、少しチョーキング、そしてまた戻す、を繰り返します(図1)。この時、手が力んでしっかりと戻すことができないと、ピッチが上ずった感じになってしまいますので、注意してください。

図1

図2

チョーキングビブラートはチョーキングしたい音程にまずはしっかりと当てて、その後で少し戻し、再度また当てる、を繰り返します(図2)。チョーキングの仕方がスムーズでないと、だんだんチョーキングを上げきれなくなってピッチが下がってしまう傾向がありますので、注意してください。

揺らすタイム感や極端に曲のテンポ感から逸脱していなければ良いのですが、8分、16分、3連などを踏まえてかけたり、ボーカルのビブラートのように意識してかけるプレイヤーもいます。要は、リズムに体が乗っていれば問題ないということなのですがね…。

今まで述べたことをマスターするのは一筋縄ではいかないと思います。そのコツを体が覚えるまで日頃、注意しながら繰り返し行ってください。

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(2018年4月専門学校ESPミュージカルアカデミーより校名変更予定)

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