ギター・ベース メンテナンス&クラフト講座 シっとけ!ヤっとけ!
多くのギター、ベースには、トーンと呼ばれるコントロールが付いています。きっと、みんな回してみたことはありますよね!実際にトーンのツマミを回してみると、なんだか音がモコモコしてきます。なんででしょうか?それを、今回から説明していきたいと思います。
トーンの配線には、前回まででおなじみの「ポット」ともう1つ、「コンデンサー」というパーツを使います。と言うわけでまずは・・・
『コンデンサーの秘密に迫ろう!』
コンデンサーは、電気を操る電子部品の一種で、実は日本語(和製英語ってやつ)です。ちなみに今回説明するパーツは、英語ではキャパシター(CAPASITOR)と言います。英語圏で「コンデンサー(CONDENSER)」は、違ったものを指しますので、注意してくださいね。コンデンサーは、2枚の電極で、電気を流さない絶縁物を挟み込んでいる、とてもシンプルな構造をしています。そのコンデンサーが、いったい何をしてくれるのでしょうか?下の図は、コンデンサーにギターの音を通すとどうなるかを表したものです。
ギターは高い音から低い音まで、幅広い音を出しています。その音の電気信号がコンデンサーを通過しようとすると、高い音は簡単に通ることが出来ますが、低い音は通過できません。こんな性質を持つコンデンサーを、他のパーツと上手く配線することで、特定の音域に絞ってコントロールすることが出来るようになります。つまり、ギターの音色を変えることが出来るんです!ちなみにコンデンサーは、ギターのトーンだけでなく、エフェクターやアンプの中にもたくさん使われていて、音作りの重要な役割を果たしています。コンデンサーがあるからかっこいい音が出せる、とも言えますね。
『コンデンサーってどれでも同じ??』
コンデンサーの大きさを表す単位として、μF(マイクロファラド)というものが使われます。これが大きくなればなるほど、より低い方の音まで通過出来るようになります。一般的に、ギターのシングルコイルP.U.用のトーンには、0.047μF、ハムバッキングP.U.やベースP.U.には、0.022μFのものが使われることが多いようです。もちろん、この大きさを変えてあげるとトーンの利き方が変わってきますが、これについては次回詳しく説明します。
コンデンサーに使われている素材によってもいくつか種類があります。下の写真を見てください。
トーンに使うのにはどれでもOKで、音もほとんど変わりません(これに関しては諸説ありますが・・・)。実際、昔のギターにはオイルコンデンサーが使われていたものが多いですが、最近はマイラやセラミックが主流です。技術の進歩で、パーツが小型化されてきた結果ですね。それでもオイルコンデンサーはそのルックスと存在感から、今でも人気があります。配線部分は普段、目で見えないものが多いですが、そういうところの細かいパーツにもこだわってこそ「ギター愛」!お気に入りのコンデンサーを見つけてみてください!
次回は、実際のトーン配線と、コンデンサーの違いによる
トーンの利き方の違いを詳しく説明します。お楽しみに!
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