じくスキー・ツアーのこと。そろそろ昼食の時間となり、トランシーバーで連絡を取り合って、参加者は全員レストランの前に集合した。しかし、いくら待ってもえばかんだけが現れない。しばらく待ってから、「どうせ彼もわたしたちの居場所は知っているんだから、先にレストランに行こう」と、心配して彼を捜しているGEORGEを残して、みんな一足早く店に入ってしまった。

 して食事をしながら窓の外を見ていたら、救急用のスノーモービルがゲレンデをおりてくるではないか。「あれ、えばかんじゃないか」と言う百太郎の声にみんながそっちを見ると、たしかにスノーモービルの後ろにはえばかんの姿が……。しかも、片手で顔をおおっている。「あいつ、ケガをしたのかな!?」と、百太郎もあわてて店の外へと飛んでいった。

  は、えばかんは急斜面のゲレンデをゆっくり滑っているとき、上から猛スピードでおりてきたスキーヤーに激突されてしまったのだとか。それで、えばかん自身も軽い脳震盪を起こしてしまったおだけれど、相手は白目をむいて口から泡を吹き、しかも額を切って顔が血だらけだったのだそうだ。それを見たえばかんは、「この人、死んじゃったのかもしれない……」と想い、自然に目から涙が溢れそうになってしまったというのだ。つまり、スノーモービルで顔をおおっていたのは、相手のことを考えて暗い気持ちになってしまったからだったそうだ。
 
  い、えばかんも相手も無事だったけど、ぶつけられた相手のことを心配して涙が出てくるなんて、本当に彼は優しいよね。いつもライヴの時、楽しそうにギターを弾いている姿が印象的なえばかんだけど、こんなに心優しい人だったとは……。もぉ、すっかりファンになってしまったわ。GEORGE「百パーセント相手が悪いんだから、お前があいつの心配なんかすることないっ!」と言われて、「はい」と言いながらも心配そうに相手の様子を見ていた彼の表情が、忘れられないな〜。
イラスト・ひーchan