「LAで深夜の大暴走」の巻 パート2

X、スタジオに乱入

 HIDEから

hide「ヤンキースのメンバーを、スタジオに足止めしといてくれ」

という司令を受け、わたしとウツミンはすぐにハリウッドにある彼らのスタジオへと急行した。わたしたちが、泊まっていたホテルから、スタジオまでは車で約10分。彼らはちょうど出来上がったばかりの曲を視聴している最中だった。ほんの30分ほど前に

「また明日ね〜」

とかいいながら、別れたばかりのわたしたちが戻ってきたのでメンバー4人はちょっと不思議そうな表情。でも、屈託のない笑顔で、スタジオの中へと迎え入れてくれた。ひととおり曲を聴いてOKを出したのち、彼らはミーティング・ルームに戻って、しばし明日の予定などについて雑談をしている。しっかし、なかなかXのメンバーは現れない! わたしは壁の時計を見ながら、ヒヤヒヤしっぱなし。だって、彼らはもうこのスタジオでやることはないし。いつ

「そろそろホテルに戻ろう」

って言い出すか、心配だったんだもぉん。それで、ちょっとでも話題が途切れると、

大島「ねぇ、エアロスミスのコンサートなんだけどさぁ〜(翌日、わたしは彼らと一緒にエアロのコンサート見に行く予定になっていた)」とか、

大島「取材は、いつ頃やったらいいかなぁ」

などと、話をつなげるのに必死だった。HIDEは電話で

hide「30分ぐらいで着く」

といってたけど、この間、約一時間弱。ホントに冷や汗モンの、一時間だった。そして、そろそろ話題も尽き、みんなの間にもホテルに戻って休もうかという雰囲気が漂い始めた頃。突然、YOSHIKIが

YOSHIKIYOSHIKI「焼き鳥、食べたい、焼き鳥!」

といいながら、ミーティング・ルームに入ってきた。このあまりにも唐突な登場の仕方には、事前に彼が来るのを知っていたわたしもびっくり。もちろん、ヤンキースのメンバーは目をまん丸くして、ぽっかんと口を開けている。そんな彼らを尻目に、相変わらずYOSHIKIは

YOSHIKI「ねぇ、焼き鳥ないの、焼き鳥!」

と、メンバーに尋ねている。そして、驚いて言葉も出ないヤンキースを見て満足したのか、

YOSHIKI「みんな、元気だった?」

とにっこり笑うYOSHIKI。続いてHIDE、TOSHI、HEATHの三人も、ドヤドヤとミーティング・ルームに入ってきた。(PATAだけはソロ・アルバムのレコーディング中のため、欠席)。狭いミーティング・ルームの中が、あっと言う間に華やかな雰囲気にかわった。読者のみんなもご存じの通り、Xと東京ヤンキースはお互いの名前を呼び捨てで呼び合うほどの長い付き合い。それがLAで久しぶりの再会を果たしたのだから、盛り上がらないわけがない。

YOSHIKI「こんなとこで、何やってんだよ」

UMEUME「何やってるって、TDしに来たんだよ」

AMIAMI「わざわざLAまで酒飲みに来る奴は、いないよ(笑)」

「ヤンキースとLA!似合わない〜!」

NORI「大きなお世話!」

 という感じで、それぞれが言いたい放題。でも、そんな遠慮のない会話の中からも、

「会えて、嬉しい」というお互いの気持ちがよ〜くわかる。和気あいあいなんて言う言葉では表現できないほどの、なんともいえない心温まる光景だったのであった。

イラスト・ひーchan