R&R DIARY

 

9月21日

音楽専科社が事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったというニュースを、Yahoo!ニュースで知った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160920-00010000-teikokudb-ind
その少し後、編集部の方から連絡があり、自己破産の報告と「未払いの原稿料があると思うので、すぐに請求書を送ってください」といわれた。アリーナ37℃が休刊になり、知り合いの編集者が次々と音楽専科社を離れていたし、「経営状態がよくないらしい」という噂も聞いていたけれど、まさかこういう形になってしまうとは。正直、ものすごくショックである。
わたしが初めて音楽の記事を書かせてもらったのは、アリーナ37℃だった。それまで講談社でライターや編集の仕事はしていたけれど、好きな音楽の原稿を初めて書かせてもらえたので、とても嬉しかったのを覚えている。
その後すぐに、アリーナ37℃で「メタルッ子新聞」という2ページの連載を持たせてもらった。80年代のジャパメタ・バンドを毎月たくさん取材させてもらって、その後の自分にとって貴重な財産となった。
そして、SHOXXが創刊になり、一気にヴィジュアル系ムーブメントが巻き起こり、ものすごくたくさんの記事を書かせてもらった。毎日がジェットコースターのような刺激的で楽しい日々で、いろんなバンドの取材をすることができ、海外にもたくさん行かせてもらった。
ロックンロール日記を初めとして、何冊も著書を出させてもらって、写真集やインタビュー集等たくさんの本の制作にも関わらせてもらった。ある意味、大島暁美の人生にとって、音楽専科社はとても大きなウエイトを占めていた存在だったと思う。
そんな音楽専科社が、このような形で終焉を迎えてしまった。アリーナ37℃が休刊になった時もなんともいえない虚脱感を感じたけれど、今回もいろいろな想いが交錯してとても複雑な気持ちになってしまった。自分にとっては、ひとつの
時代の終わり
なのかなという気がする。最後の原稿料はきっと払ってもらえないだろうけど、それよりもたくさんの「ありがとう」をいいたいな。音楽専科社のおかげで、本当に楽しくて有意義でなかなか経験できないことをたくさん経験させてもらった。それは、わたしの宝物である。その感謝の気持ちを、誰に向かっていえばいいのかすらわからないこの状況は……、寂しいね。
 

2016-09-21