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ESPエンタテインメント東京

世界でひとつのヴァイオリン製作記

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世界でひとつのヴァイオリン製作記

01 コラボ企画 ヴァイオリン製作科 ESPミュージカルアカデミー × シベリアン・ニュースペーパー 土屋雄作

「憧れのミュージシャンの楽器をつくる」

東京・高田馬場にあるESPのヴァイオリン製作科に、一つの注文が届いた。「僕のヴァイオリンをつくってください」依頼者はインストゥルメンタル・バンド「シベリアン・ニュースペーパー」のヴァイオリニスト土屋雄作。以前ESPでエレキ・ヴァイオリンを作ってもらったのだが、そのオートクチュールならではのフィット感に衝撃を受け、今度はアコースティックを注文することに決めたのだ。製作を担当するのは1年生3人組の通称「シベ・チーム」。事前に土屋のライブを観に行き「あんなに興奮したのは初めて」「プロ・ミュージシャンのために楽器をつくるなんて緊張します」と話す彼ら。取材に訪れた日は、真剣な面持ちで、楽器の側板とスクロール作りにとりかかっていた。たまたま様子を見に来ていた土屋から「ネックの太さは調整可能ですか? ちょっとした差で弾きやすさが変わるんですよ」とさっそくのオーダー。果たしてどんな楽器が生まれるのか。今号から次々号にわたって、世界にひとつの楽器づくりを追っていく。

ESPのヴァイオリン工房にて。今回の依頼者であるヴァイオリニスト土屋雄作(左から2番目)と、シベ・チームの小野寺久美・北澤龍也・伊藤あゆみ、そして監修を行う金井義政先生(右端)。

製作工程 ヴァイオリンができるまで

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1. 楽器製作はまず「内枠」づくりから始まる。内枠は糸ノコ、ノミ、ヤスリなどを使って1週間程度で作成。続いて、楽器の側面になる「側板」を貼る作業に入っていく

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2. 側板に水分を含ませて鉄板とベンディング・アイロンの間に挟み、熱を加えながら側板をゆっくり曲げていく。内枠の曲線にぴったり合うカーブをつくるには、相当な訓練が必要

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3. 2で曲げた側板ににかわを塗り、内枠に固定する。側板と内枠の間に少しでも隙間ができてしまったらNG。かといって丁寧にやりすぎてスピードが落ちると、にかわの層ができてしまうので注意

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4. 側板を貼っている間、別のメンバーはスクロールづくりに。渦巻きが左右対称になっているかを目で確かめながら、彫刻のように削っていく。ここは美的センスが問われる部分

みんなが僕のことをどんな風に捉えて、
どんな楽器をつくってくれるのか、とても楽しみです

依頼者・土屋雄作

インストゥルメンタル・バンド「シベリアン・ニュースペーパー」のヴァイオリニスト。イギリス・マンチェスターの音楽コンベンションや、2007年フジロックフェスティバル、2009年マウントフジミュージックフェスティバルなどに出演。近年では弦楽カルテットや民族楽器を加えたユニットも主催し、ソロ活動も行う。

●シベリアン・ニュースペーパー オフィシャルサイト
http://www.siberian-newspaper.com/