ギター・ベース メンテナンス&クラフト講座 シっとけ!ヤっとけ!
前回はボディ部分に使われる木材を特集しましたが、今回はネックと指板に使う木材を紹介していきます!
ボディ用木材に比べ、ネックに使うことのできる木材はいくつかの厳しい条件をクリアしなければなりません。
ネックや指板用木材は、ボディに比べて薄く、細く、長く加工されます。その為、日々の気候の変化などで反りやねじれなどの狂いが起こりやすい部分です。強度が弱い木材は、ネック用として不合格なんですね。
さらにネックは、常に弦の張力(60~70kgも!)に引っ張られています。手になじむ、細く丸い形に仕上げて、弦の張力に負けない強度が必要です。
指板には正確な音程を奏でるために欠かせない、フレットという金属が打ち込まれます。打ち込んだフレットがグラグラしたり、弦とこすれてすぐに磨り減ってしまう柔らかい木材では、とても安心して演奏なんて出来ません!ネック材以上の強度が求められます。
ネック材、指板材はこれだけ多くの条件をクリアしたものを使用しているんです!その為ボディ用木材に比べ、種類は少なめと言えるかもしれませんが、そのなかでもポピュラーなものを紹介していきます!
『ネックに使われる木材達』
北米原産で、強度が高くネック用木材としては最もポピュラーな木材です。ボディ材特集でも紹介しましたね。サウンド、強度、加工性、見た目と、ネック材に求められる要素をバランス良く兼ね備えている木材です。
中米の小さな国、『ホンジュラス』産のマホガニーです。上記メイプル同様、これもまたポピュラーな木材ですね。メイプルほどの強度はありませんが、よく乾燥されたものは狂いが少なく安定しています。
丸みのある暖かいサウンドで、セットネックとの相性は抜群です。
アフリカ産で独特のルックスを持った木材です。強度がとても高く、ベース用のネック材として高い人気があります。
非常に硬い為加工が難しいのですが、手触りが良く、サスティーンも音の鳴りも良いという多くの特徴を持った特殊な木材です。
『指板に使われる木材達』
世界の熱帯から亜熱帯に生息している木材です。硬度や手触りなど、指板に求められる条件をバランスよく持っているので、指板にとても適している材です。
指板用の木材としてポピュラーな木材です。
主に東南アジア産の木材です。黒っぽい色のルックスが特徴です。真っ黒なものになると真黒(まぐろ)なんて呼ばれたりもします。
上記のローズウッドよりも硬質で、サスティーンも良くややトレブリーな明るい音がします。
北米原産で、強度が高くネック用木材としては最もポピュラーな木材です。
指板用の材としての硬度はあまり高くはありませんが、クリアーで綺麗な音がします。塗装を施す事がほとんどで、見た目もとても美しいです。
指板用木材は、茶色~黒っぽい木が多いです。でも、そんな色の木が生えているの、見たこと無いですよね?
これらの黒っぽい木は、自然に生えている状態での外観は、普通の木です。ところが切ってみると、木の内側(心材と言います)の方が、このような濃い色になっています。その部分を使っているのですね。
自然界には、茶~黒だけではなく、赤い木、緑の木、ピンクの木、黄色い木、紫の木、様々な色があり、杢(もく)と呼ばれる美しい模様が出ていることもあります。そんな木材たちでギターを作ったら…なんて考えると、夢が膨らみますね!
前回も書いたとおり、ギター用の木材には「絶対」はありません。自然に存在する全ての木材が、それぞれ違う個性を持っていて、様々な可能性を秘めています。是非これから、いろんなギターに使われている木材にも注目してくださいね!
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