音楽・芸能と楽器の専門学校
ESPエンタテインメント東京

メンテナンス&クラフト講座

Pickup Contents
  • 大島暁美のロックンロール日記へ
  • 来校アーティストライブレポートへ
  • ギターギャラリーへ
  • メンテナンス&クラフト講座
  • がんばれ律っちゃん!へ
  • 究極のギターを手に入れろ!へ
  • お役立ちリンク集へ

ギター・ベース メンテナンス&クラフト講座 シっとけ!ヤっとけ!

第18回 ギターに使う木材を大特集

今回はエレキギター、ベースのボディ部分に使われる木材を特集します。最も体積が多くなる部分ですので、音や見た目に大きく影響します。
クラフトマンだから分かる、ちょっとしたポイントも要注目ですよ!

昔から今まで、ほとんどのギター、ベースは「木」を主な素材として作られています。今では他の素材で作られているギターもありますが、まだ大半のギターは木材で作られています。
ギターに使う素材に必要なのは、見た目のかっこ良さや強度、そしてもちろん音などですが、木はそれぞれをバランス良く備えています。自然が生み出すものですから、2つと同じものが無いところも魅力的です。

『ボディに使用される木材達』

ハードメイプル

北米原産で強度が高い木材です。ハードメイプルだけでボディを作ることはあまりありませんが、トップ材(ボディの表側にはる木)としてポピュラーです。
写真のものは、「フレイムメイプル」と呼ばれる、虎状のキレイな杢を持つ希少材です。シースルーで仕上げるととても美しいです。

ソフトメイプル

北米原産でハードメイプルよりやわらかい木材です。加工のしやすさ、音ともにバランスの良い木材です。
写真は「キルテッドメイプル」と呼ばれる人気の杢で、高級ギターの表にはられているのを良く見かけますね。派手な杢を持つものほど数が少なく人気で、高価です。板1枚で数万円するものも…。

ホンジュラスマホガニー

中米の小さな国、ホンジュラス産のマホガニーです。古くからギターに限らず、様々な楽器や家具に使われている人気木材です。
豊富な低中音域を持ち、音に暖かさを感じます。他の木材とはり合わせる使い方も人気があります。上のメイプルとのコンビはまさに王道!

マホガニー

東南アジア、アフリカ、南米いろんなところで採れるマホガニーです。原産地でそれぞれ個別の名前がありますが、ギター業界では単純に「マホガニー」と呼ぶことが多いです。ホンジュラスマホガニーよりもやや柔らかく、明るいサウンドが特徴です。

アルダー

ヨーロッパ産で、硬すぎず、柔らかすぎず、非常に加工性が良い木材です。スタンダードに加工するも良し、彫刻など立体的な加工を施すも良し、削っていて楽しい木材です。
個体差もそれほどなく、サウンドも素直で、優等生なボディ材です。ややおとなしめの木目が特徴です。

バスウッド

北米原産で、ギターに使われる木材としては最も軽く、柔らかい部類に入ります。ボディ材として単体で使うと、明るい音の反面、サスティーンに欠ける独特の音が出ます。
それほどポピュラーな木材とは言えませんが、バスウッドにこだわるミュージシャンもいます。

スワンプアッシュ

北米原産で、非常に美しい木目が特徴です。
下のホワイトアッシュと同種ですが、こちらのほうが圧倒的に軽く、ギターに向いている特性を持ちます。特にシングルコイルピックアップとの組み合わせの人気が高く、抜けの良い高音域を奏でてくれます。

ホワイトアッシュ

スワンプアッシュに比べ、非常に重く硬い木材です。その特性を生かして、ベース用ボディ材として使用されることが多いです。
アッシュ属は美しい木目と魅力的なサウンドの反面、木目に非常にクセがあり、加工はアルダーやバスウッドに比べ、やや難易度が高くなります。

ブビンガ

アフリカ原産の、非常に硬く重たい木材です。ピンクがかった褐色で、独特の風合いを持ちます。その重さ、硬さから迫力のある低音域と長いサスティーンが魅力で、ベース用木材として使用されることが多いです。それにしても硬い!刃物もしっかり研がないと、文字通り刃がたちません。

パドゥク

東南アジア産で、ブビンガほどではないですが重く硬い木材です。ベースに使われることが多いですね。
特徴的なのはその色で、削ってみると驚くほど鮮やかなオレンジ~赤な色をしています。ところが時間と共に茶色味が増し落ち着いていきます。作っていて日々変化が楽しめる木材ですね。

ウォルナット

北米原産の木材で、日本語で言うところの「くるみ」の木ですね。独特の渋い色がとても魅力的です。
やや硬めで重たい木材ですが独特の乾いた音を持ち、ベースはもちろん、アコースティックギター用材としても人気があります。

今回は比較的ポピュラーな木材を集めてみましたが、他にもいろいろな木材が使われています。ベースでは複数の木材をはり合わせて、見た目、サウンドに個性を持たせているモデルも増えてきてますね。ネック用木材等に比べてボディ用は自由度が高く、どんな木材でもその木材ならではの個性を持っています。誰も使ったことの無い木材で、ギターを作ってみるのも楽しいんではないでしょうか?

次回は、「ネック用木材」「指板用木材」を特集したいと思います。
ボディとはまた違った観点から、いろいろな木材が登場します。お楽しみに!!

ご質問はコチラまで