ギター・ベース メンテナンス&クラフト講座 シっとけ!ヤっとけ!
チューニングが安定しない、弦振動が変?といった症状は“弦の張り方が悪い為”に弦の寿命が縮まった結果であることが多いです。弦の張り方で最も悪いのは弦をねじって張ってしまうことです。今回より詳しく掘り下げて解説してゆきますのでぜひ参考にしていただきたいと思います。
1.まず弦を緩める。
古い弦は捨ててしまうので、切ってしまうと楽です。弦を切るには鋼鉄用の超硬ニッパーを使わないと刃が欠けてしまいます。古い弦はきちんと分別して燃えないゴミに出しましょう。
2.そしてブリッジに弦を通してセットする。
ロック式トレモロの場合は弦を緩めた状態でユニット本体が下がらないように楽器用のクロスなどをはさみ固定します。
3.いよいよ弦を張ります。
4,5,6弦は根元を少し残してニッパーで切り、その残した根元をストリングロックインサートで固定するようにストリングロックスクリューを回して固定してください。1,2,3弦は根元を残さなくても大丈夫です。
ここで注意するのが締め具合です。硬くなった所から更に『1/4回転』ぐらい締めこんであげれば問題はありません。締め過ぎると弦が死にやすくなったり、ロックインサートが割れるなどのトラブルに繋がります。
4.ブリッジに弦をセットしたら弦を適当な長さに切る。
ストラトの場合、巻くポストのおよそ二つ先のところで折り曲げ、1~2cm先で切る。もしペグが横穴式のポストだったら、切る位置は5~6mm先で良い(切るのは巻き終わってからでもOKです)。曲げてから切るのは巻き弦の巻きが解けるのを防ぐ為。
※ほとんどのベースペグにはペグの中央に穴が開いています。ベースの場合は12cm前後のところで折り曲げ1.5~2cm先で切る。
5.弦をストリングポストの穴に通して巻いていく。
弦はポストの上から下に向かってきれいに巻く。横穴から弦を差し込むタイプのものは、飛び出た先端をはさみ込むように巻いていくと、更に緩みにくくなるのです。
クルーソンタイプのようにポストの先端が割れていて中心に縦穴が開いているタイプでは、飛び出た先端で無用な怪我を防ぐためにも弦の先端を入れておきましょう。
ベースの場合はボールエンドがテールピース部に引っ掛ったままで固定されていると、巻いている間に弦にねじりが生じてしまうのでボールエンドを軽く引っ張って、弦にやや張りを持たせながら弦を巻いてゆく。
注意
ブリッジ側から持ってきた弦をペグのストリングポストに手で巻き付けるようなことをすれば弦は簡単にねじれてしまいます。レスポールモデルやフェンダーベースのようにブリッジ部から比較的に真直ぐ張られる楽器ではブリッジ側でねじれを逃してやることもできますが、ストラトキャスターやテレキャスターのようにブリッジ部で弦が折れ曲がるタイプではねじれを逃すことができないのでこの方法は絶対だめです。
弦について
弦には大まかにわけて3種類の太さがあります。ライト、ミディアム、ヘヴィの3種類でそれぞれ細め、標準、太めの太さになっています。細いほどテンションは弱まりチョーキング、ヴィブラートなどしやすくなりますがそれだけハリのない迫力のない音になります。
また、逆に太いほどハリのあるパンチのきいた音になりますがテンションがきつくなるとチョーキング、ヴィブラートなどはしにくくなってきます。(あまり弦が太すぎると音のヌケが悪くなりサスティーンも落ちてきます。)
それから弦は特別な理由がなければ同じメーカー、ゲージのものを使いましょう。違う弦を張ったあとは、ブリッジやネックの調整が必要になります。
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