ESPミュージカルアカデミー・ギタークラフト科の学生2人が、Galileo Galileiの尾崎雄貴・岩井郁人のためにそれぞれオリジナルのギターを製作する、という連載企画。この第2回では、目下絶賛製作態勢に入っている学生2人の製作現場に、突撃取材してきました。快く取材に応じて数々の質問にも答えてくれた学生2人ですが、やはり緻密でまったく気の抜けない作業は真剣そのもの。見ているだけで手に汗握る瞬間がいくつも見受けられました。大川さん丸山さん、本当にありがとう。今回は数限りない製作行程の中から、ほんの一部を紹介。学生たちがこれまで培ってきたその知識と製作スキルを、とくとご覧いただきたい。(文=小池宏和)
尾崎雄貴(Vo・G)/岩井郁人(G) 日本最北端・北海道稚内市で結成された4人組ロック・バンド。9月22日には2ndシングル『四ツ葉さがしの旅人』をリリースする。今回の企画にはバンドのフロントマンにしてソングライターでもある、ざき兄こと尾崎雄貴(写真・左)と、多彩なギター・フレーズを繰り出して楽曲を支える岩井郁人(写真・右)の2名が参加。各自が温めてきた夢のギターのイメージ像をぶつけるべく、ESPミュージカルアカデミーに姿を現した。 ・オフィシャルサイト http://www.galileogalilei.jp/ |
大川瑛彦さん 地元・静岡での高校時代は自身もバンドマンとして活動していたそう。 |
丸山めぐさん 緊張が解れてくると、次第に驚きの製作プランを連発していました。 |
まずは製作を担当する学生2人の近影を。左・大川さん、右・丸山さん、揃ってスマイル。未来の職人たちはご覧のとおりの若き風貌ですが、作業となれば表情が一変します。
岩井モデル担当の大川さん、ギターのボディーとなるメイプル材にかんなを入れる。木目を気に掛けながら、曲線が織り成すフォルムを整えます。この作業だけで実に4日間。
本人との綿密な話し合いを踏まえて、岩井モデルはネックの厚みにボリュームをとる設計に。何種類ものかんなを使い分け、大川さんは要望どおりの形を削り出してゆく。
学生たちは入学すると、まず刃物の研ぎ方から教わるそうです。上の写真に見られるような作業台のセットアップそのものも、ときには自分たちで一から製作してしまうとか。
まだまだ多くの行程を残しながらも、ひとまずボディーとネックの形が整ってきた。この時点で言うのもなんですが、カッコイイ。大川さん、引き続きよろしくお願いします!
さて一方の尾崎モデル担当・丸山さん。トリマーと呼ばれる電動工具で、何やら緻密な作業を行っています。見ている側にまで伝わる緊張感。何を彫っているのかと言うと…。
どーん! フレットのポジションマークの一部となる、犬型のシンボルを嵌め込むための穴でした! 見事にラブラドールがフィット。これこそ、文句なしの尾崎モデルだ。
一息つく暇もなくボディーの塗装行程へ。数種のラッカー塗料を混ぜ合わせ、スプレーガンで吹き付けてゆきます。塗料垂れを防ぐため、左腕一本で支えながら慎重に重ね塗り。
奇麗に木目が消えました。鮮やかなクリーム色は、もちろんラブラドールを意識しています。このギター、一体どんな音が鳴るんだろう。楽しみ。次回、いよいよ完成です!